書籍⑥ 回想録
平成14年、「同窓会だより」編集委員会が創刊号を発行し
ました。母校創立80周年を記念して中1~15回の卒業生全員に
「在学中の思い出」をメインテーマに原稿を募集し、55人が
寄稿しています。尾崎楠馬校長や小田原勇教頭の思い出、労作
教育、水泳部の活躍、強行軍の遠足や寒稽古、戦争体験などに
関する回想は歴史の貴重な証言です。
関東支部関係者も寄稿しています。第8代の支部長の飯田
貫一氏(中7回)は「見中の五年間は、わが人生の暗黒時代
であった」と書いています。「人格陶冶の教育」と称される
半面、所持品検査などが厳しく「堅苦しい威圧的な空気」と
振り返っています。第10代の支部長の山内惣市氏(中12回)
は学徒動員で死に直面していた時に、死の意義について何度
も尾崎先生に手紙を送ったと回想しています。年次委員を長年
務めた奥野山洵一氏(中15回)は素足で過ごした学生生活や
水泳、武道などを通じて「質実剛健の精神、気風」が身につ
いたと感謝の気持ちをつづっています。
平成24年には創立90周年を記念して、第2号が発行されま
した。中16回~高4回の85人が寄稿しています。見中出身者は
学徒勤労動員や東南海地震の回想が多く、高校出身者は新制
高校への移行や男女共学になったことの思い出が目立ちます。
時代の激変を感じさせます。関東支部の第15代の支部長の
高田岩男氏(高2回)は旧制中学から新制中学への複雑な移行
過程を表にして解説し、当時の生徒会活動などを回想しています。
戻る