磐南の道程
見付中学校、磐田南高校の歴史について、人物に焦点をあてて生き生きと描写しています。発行は昭和45年(1970年)6月。「はぐま祭」のテーマ「若者の挑戦」に合わせて、校内新聞を出していた生徒会の出版部の3年生の有志3人(高23回)が出版実行委員会を結成して編集しました。
学校創立の経緯、労作教育の実態、水泳部や陸上部の活躍から、経済界や教育界などで業績を上げた卒業生の消息などがふんだんに盛り込まれています。東大病院に入院した尾崎楠馬先生を同窓生たちが支えた「重病の校長看護」という話もあります。
もともと昭和39年度に産経新聞が連載した「先輩 後輩」という記事を再録しています。さらに初代教頭の小田原勇氏、山内克巳氏(中3回)、塩谷一夫氏(中11回)らを訪ねて、思い出話を収録しています。
当時、高度成長期で夢を抱いて入学したものの、昭和44年には学生運動で東大の入試が中止になりました。現状や将来に対する不安が広がるなか、母校の歴史を振り返ることから始めよう、というのが出版の原点でした。
序文にこう書かれています。
我々が、この『磐南の道程』を通して、本校の歴史を知り、また、本校から輩出した我々の先輩が、社会の第一線に立って活躍していることを知ったとき、我々は、南高生であることを誇りに思い、南高をますます発展させていこうと、決意を新たにせずにはいられないだろう
本は全校生徒に配布されました。いまでも母校に保管されていますが、このほど発行責任者の方から関東支部に寄贈していただきました。
磐南の道程